意識障害患者の”AIUEOTIPSミカタ” 〜NPでの学びを看護に繋げる Vol1.〜

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入院患者の〇〇シリーズ。

今回のネタは救急でも病棟でも使える意識障害。

いろんな教科書を見ても出てくる”AIUEOTIPS”
その内容は記載されていても、看護師は何を見たらいい?聞いたらいい?と言った深いところまで踏み込んで記載されたものは少ない、、、気がします。
★出会ってないだけかもしれません。

今回は総合診療科NPが臨床で学んできた看護師が抜きに出る”AIUEOTIPSミカタ”についてまとめたいと思います。

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AIUEOTIPSとは

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意識障害を鑑別診断を行う上での語呂です。
意識障害の原因について、頭文字をとってまとめたものです。
大き雨の人が見ているAIUEOTIPSにはA:大動脈解離、S:ビタミン欠乏が書かれていないものをご覧になっている方も少なくないと思いますが、ここでは要チェックでお願いします。

それでは一つずつ記載していきます。

A:アルコール Alcohol

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飲酒による意識障害、離脱によるせん妄など様々な症状を呈するのがアルコールです。
救急隊からの!stコールで「飲み屋から酩酊を搬送します!」と言われたら真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、自宅での意識障害、食欲不振、体動困難など1stコールの内容は様々です。

私たち看護師が確認できる身体初見として

  • 頻呼吸はないか?
  • 頻脈はないか?
  • 呼気の匂いは?(アルコール臭?アセトン臭)
  • クスマウル呼吸はないか?

が挙げられます。

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アルコールによるバイタルの変化は、アルコールの作用で血管拡張が起こり。血圧が下がります。それを代償するために、頻脈が出現し、それに合わさり呼吸数も増加します。

アセトン臭については、国家試験にも出たと思うので復習しておいてください。

そしてクスマウル呼吸ですが、この呼吸を見たらケトアシドーシスを考えなければいけません。
また病歴で、飲酒後消化器症状が出現し24時間以上食べれなくなった、、、というエピソードが聞かれたら緊急度を1つUPします。

AKA:アルコール性ケトアシドーシス

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”飢餓+アルコール=アルコール性アシドーシス”を頭に思い浮かべてください。
治療には大量保液、電解質コント調整が入ってきます。

A:大動脈解離 Aortic Dissection

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そして大動脈解離です。

急性発症の背部痛→大動脈解離と認識されている人も多いと思いますが、意識障害でもあり得ます。
聴取できる項目としては”痛み”。「何をしている時に急に痛くなったか?」これがはっきりすれば”らしさ”はUPします。

しかし、今回のまとめは”意識障害”

本人が答えられればいいんですけど、、、

もちろんご家族や一緒におられる方、発見者が痛みを確認できていればそれを聴取しましょう。

痛みだけでなく身体診察も重要です。
血圧の左右差が有名ですが、血圧が下がっているか、、、と言ったら意外とそうでもありません。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

この論文では、血圧は正常なことも少なくないと記載されています。
血圧の左右差は、測定体位にも影響されるので、確実に測定しながら、数値に振り回されるのではなく、しっかり触れて、脈圧に差はないか?脈拍欠損がないかなど確認していきましょう。

大動脈解離のリスクスコア

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また病歴と身体診察の情報からスコア化することも重要です。
ADDスコアは基礎疾患、痛み、身体初見の情報を組み合わせてリスクを判断します。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

痛みの確認はOPQRSTA

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痛みについて聴取できそうなら、痛みについてもしっかり確認していきます。
しかし、痛い・苦しい、、、でなかなか答えづらい状況にあるかもしれません。
そんな時は、OnsetとTimeを確認。他の項目は状況を見て聴取します。
大動脈解離の場合”SuddenーOnset:急性発症”は重要です!

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と痛みについて書いた後になんですが、無痛性も存在します。
というか、そもそも疼痛があるのは血管が裂けている”今”が痛いのです。
裂けている状況(進行)が落ち着けば疼痛も落ち着きます。
また意識障害や失神をきたしていると、痛みを訴えません。

「痛みがないから大動脈解離ではなさそう」ではなく、意識障害、失神、心筋梗塞、脳梗塞を見たら「解離かも」と頭の片隅に置いておいてください。置いておかないと思いつきませんから。

I:低/高血糖 Insulin:Hypo/Hyper-glycemia

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血糖異常も意識障害をきたします。
意識障害を見たらまずは血糖チェック!というくらいです。
血糖異常が多いのではなく、簡易血糖測定器を用いてすぐに確認できるからです。

血糖測定を行いながら、スライドの症状をさらっと確認しましょう。

また”なんか脳梗塞っぽい”という症状が低血糖のサインのこともあります。
これは、優位半球のエネルギー:糖が足りず症状が出ていると言われています。

意識障害=血糖測定!

低血糖の鑑別:AtoF

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低血糖を見たら”なぜ”を考えます。

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原因はアルコールや敗血症、内分泌疾患など確認項目が多岐にわたります。
また胃切除ごのダンピング症候群でも低血糖をきたします。

原因が除去されないと、いくら糖を補充しても解決しませんから、原因検索は重要です。

低血糖をきたす薬剤

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血糖を下げる薬剤といえば?
糖尿病薬

が一番簡単な答えですが、それ以外にも存在します。

特に高齢者がよく飲んでいそうな抗うつ薬、降圧薬、Bブロッカー、鎮痛剤、、漫然と出されている抗菌薬、、、
ポリファーマシーへの介入が必要な理由がここにもあります。

意識障害を見たら、お薬手帳、薬剤鑑別歴を今一度確認しましょう!

DONT:意識障害+低血糖時の対応

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低血糖はまずは糖の補充が重要です。

しかし意識障害を期待している時は、約束事があります。
どれがDON`tです。
特にブドウ糖補充前の ビタミン投与は重要ですので、セットで覚えておきましょう!

補充後の確認

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低血糖対し、ブドウ糖補充を行いました。
15分後の血糖は上がりました。
よかったです。

ではありません。

本当に意識障害の原因が本当に低血糖だったのか?を確認する必要があります。

血糖測定もそうですが、元々の症状が改善したか?今回で言うと意識障害が改善したのか?の確認がめちゃめちゃ重要です。

ちゃんとブドウ糖が投与され
血糖も改善したのに
意識障害は改善されていない

これは意識障害の原因が他にあると言うことです。

Treat the patient not the monitor!

f:id:ZoeSun:20211028135622j:plain代表的なのがVital Signが崩れている低血糖は敗血症のことがあります。

その際は、血糖補正を行いながら、感染症へのアプローチが必要になりますし、循環動体へのアプローチも必要になります。
敗血症については後日…

高血糖

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高血糖も意識障害をきたします。
前記したアルコール関連のAKAにはじめ、DKA:糖尿病性ケトアシドーシス,HHS:高血糖高浸透圧症候群でも起こり得ます。

低血糖同様、血糖が上がる理由があります。

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インスリンで血糖コントロールをして、血糖さげて、、、では終わらないです。
DKA ,HHS、AKAでは大量輸液による補正、電解質コントロール、血糖コントロール、をはじめ対応することも多岐にわたりますが、そもそもの原因を突き止め、改善に向け介入する必要があります。

患者さんを俯瞰し、全体像を捉えるには、治療・検査だけでなく、情報収集から得るものも大きいです。
私たち看護師含め、チームで介入することで、早期発見と、患者さんに合わせた医療提供ができると思います。

長くなったので今日はここまで。

本日の参考図書

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