血栓はどこから来たのか?Wells criteria score 〜NPでの学びを看護に繋げる〜

スライド

ICLSでインストラクターをやっていると、原因検索というもの受講者に伝える。

6H6TだったりA to Kだったり。

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例えば肺塞栓
疑ったら何を調べよう?頭に浮かぶのはDVT
足の手術をしたのかな?
臥床時間が長い?
ロングフライト、、、などなど

前回ブログでも書きました

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整形外科でのDVTのミカタ


 

院内でもレクチャーをさせていただきましたが
本日は DVTを見たら(PE疑ったら)!? という逆からのアプローチ。

 

以前のブログにも書いた
DVTを見たらPE-Wells criteria score

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前回書いた内容では、下肢術後を中心に書いたので当てはまる項目が多いが

先日当たった症例は、上肢OP
しかも伝達麻酔術後1日目に呼吸困難を伴わない体動時のSpo2低下。
コンサルトを受けた3日目には症状が改善。
ACS肺炎も否定した後だったので、症状からPEを考えたが、他の項目は当てはまらず Wells criteria score 3点(伝達麻酔OPを踏まえたら4.5点)

エコーも自分で当てたが右心不可所見なし。

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引用: https://ameblo.jp/docterslicense/entry-12333623483.html

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下肢の静脈鬱滞もエコーで認めず。

引用:http://nagano1123.livedoor.blog/archives/17544987.html

 

 Score上、可能性は低いものの

Dダイマーを測定したら陽性だったため、念のため造影CTを取ると、、、右の肺動脈にどん詰まり。

診断名:P E

やべっ!治療!治療!
で終わってはいけないのがこの世界。
一体なんでPEになったのか?

 

私たちはWells criteria の項目をしっかり確認し、原因に対してもアプローチする必要があります。

・DVTの臨床所見はどうだったのか

下肢の症状は認めず、エコーでも確認できず。

といってもDVTの80%は無症候性と言われているので、officialで下肢血管エコーをして確認しなければいけません。

・PEが他の鑑別診断と比べて、、、前記の通り
・心拍数>100bpm Vital Sign は落ち着いていたし、、、
・過去4週間以内の手術歴は、、、当てはまる?
・DVT/PEの既往はなかった
・喀血もなかった
・悪性疾患の既往はなかった、、、

が現在悪性疾患がないとは言い切れない。落ち着いたら内視鏡検査など原因検索などプランニングしていきます。

このような感じで原因に対し否定と肯定を組み合わせ、しっかりと原因を明確にできるようアプローチしていきます。

これをきっかけに悪性疾患が見つかった、、、というのもない話ではありませんから。

 

 

ここでの疑問。

上肢にDVTは起こらないのか?

 

ってことで調べてみた。

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Circulation 2002;106:1874-80 J Thorac Imaging 2010;25:W1-3 N Engl J Med 2011;364:861-9. J Am Board Fam Pract 2005;18:314-9

 
Primary UEDVT; Paget-Schroetter syndrome、 Idiopathic UEDVT
上肢DVTの20%がPrimary。
胸郭出口症候群、 特発性、 運動性がある.

分類
Paget-Schroetter syndrome:血管内皮障害によるもの
基礎疾患のない健常人に生じる上肢DVTであり、 通常利き腕側、 スポーツに伴うことが多い. 血管内皮に微小な損傷を生じ、 凝固系の活性化を誘導する.

・Primary UEDVTの72%を占める.
・バレーボール、 野球、 重量挙げ、ボート、 テニスなどでの発症報告例がある.
・上腕二頭筋短頭、 鳥口腕筋の発達が原因のこともる.
・肩関節の過外転、 過進展、 外旋が発症に関与している.

Idiopathic UEDVT: 明らかな原因を認めないが、 血栓を生じる病態.
1/4に悪性腫瘍(肺癌、 Lymphomaが主)を1年以内に認める.

Secondary UEDVT
CVカテーテル、ペースメーカー、 悪性腫瘍に由来する血栓症
上肢DVTの80%がSecondary UEDVT
カテーテルなどの物理的な要因や悪性腫瘍の合併、外科手術後、外傷後、妊娠、経口避妊薬が原因となる.
悪性腫瘍が圧迫することで発症する。カテーテルでは、挿入時、薬剤投与時の血管内皮障害、カテーテル自体による血流障害が主な原因となる

 

本症例のオチ:脂肪塞栓

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本症例のオチは”脂肪塞栓”でした

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DVTが長期臥床で発生するのに比べ、脂肪塞栓は早期に発症します。
急性なので、塊の大きさもDVTより小さい印象がありますが、、、詳細は不明です。
しかし、後述する症状を見るとなんとなくはっきりします。

脂肪塞栓の発生機序

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今回の症例は上腕骨の骨折での発症でした。

脂肪塞栓の症状

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症状の出方がIE(感染性心内膜炎)っぽいですよね、、、今日はここまで

 

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